CROSS OVER  「岡山眼鏡店」×「COOKING-ON」 前編
Crossover
CROSS OVER  「岡山眼鏡店」×「COOKING-ON」 前編

CROSS OVER(クロスオーバー)と題して、今回新たな「対談」に挑戦してみました。

いつもの「対談」は、飲食店関係者の方が中心でしたが「CROSS OVER」では、ジャンルを問わず、他業種の経営者や店長さんとの「対談」をしていきます。

他業種の方のお話を聞くことで、私自身も大変勉強になりますし、いつも「対談」を見て頂いてる方にも、楽しんで貰えると思っています。

中でも、これから事業を始める方や、スタートアップの方にぜひ見て頂ければと思っています。内容は、他のインタビューなどでは中々話されない内容を、クッキングオンの対談ならではのユルい感じで進めていきたいなと思っています。軽く肩の力を抜いて読んで頂ければと思います。楽しみにしておいてください。

では、さらに広がりをを見せるクッキングオンの「対談」をお楽しみください。

第一回目の「COSS OVER」は、県内外から多くのお客様で賑わう「岡山眼鏡店」を運営する「株式会社川空山海」
代表取締役社長 猪原和樹さんと,「岡山眼鏡店」店長の藤山仁美さんにお話しを伺いました。
前編では猪原さんがお店を始めるに至ったお話や、奉還町から厚生町への移転、店長の藤山さんの入社のキッカケについて伺いました。


ゲスト  株式会社川空山海 代表取締役社長    猪原和樹さん

     株式会社川空山海 岡山眼鏡店 店長   藤山仁美さん

聞き手  株式会社クッキングオン 代表取締役   寺見真一

対談場所 岡山眼鏡店

寺見 今日はお忙しい中、お時間をくださりありがとうございます。

猪原 いえいえ、こちらこそ新企画の一発目に選んで頂きありがとうございます(笑)

藤山 私は大変楽しみにしてました。本日はよろしくお願いいたします。

寺見 では、まず「岡山眼鏡店」について教えて頂いていいですか?

猪原 はい。「岡山眼鏡店」は2015年3月1日に、岡山市奉還町でスタートした眼鏡店です。

寺見 2015年に起業されたんですね。それまではどこかの眼鏡店さんに勤められていたんですか?

猪原 はい。それまでは岡山の老舗の眼鏡店で働いていました。入社したのが1999年23歳でした。

藤山 若い(笑)

寺見 ですね。23歳で眼鏡店に入るキッカケは何があったんですか?

猪原 キッカケは、京都の大学卒業後、一年京都で働いたんですが、辞めて岡山に帰ってきたんですよ。それで仕事何しようかと考えてまして。

何か手に職を付けたいなとは思ってたんですよ。でもずっと工房に入り込んで作業するっていうのも出来るのかなって考えていて。眼鏡はずっとかけていたんですが、ある時母親から「あなた眼鏡の仕事とかやったらいんじゃない?」と、言われたんですよ。

寺見 お。

猪原 で、あ、眼鏡かぁと思って色々調べると、接客もあって、検査・測定、レンズを削る職人の仕事もあることが分かってきて、良いかもなと思ってきて。元々眼鏡が好きなのもあるし、自分が大学時代、京都の眼鏡店が好きで色々回ってたんですよ。個性豊かな店が沢山ありました。そういうのも思い出したりして。眼鏡の世界に入りました。

寺見 なるほど、就職先はどうやって見つけられたんですか?

猪原 普通に求人雑誌みたりですかね。そしたら何件か眼鏡店があったんですが、自分の中でそのお店の将来性とか分析して、選んでいきました。

寺見 そこ、重要ですよね。今良さそうでも、未来にこの会社のビジネスモデルはどうなんだろうと、誰にも未来はわかりませんが、自分自身が入社するんだからそこは考えるのは重要なことですよね。

猪原 そうなんですよ。で、結局岡山の街を歩いてるときに、眼鏡店があって入ってみたらココ良いなと思ったんですよ。でも求人募集されてなかったんですが、飛び込みでお願いして運良く雇っていただけました。

藤山 その頃の岡山の眼鏡業界ってどんな感じだったんですか?

猪原 その頃は、ちょうど普通の眼鏡屋さんからセレクトショップへの転換期あたりだったかな。全国的に。で、僕が入ったお店もちょうどセレクトへの移行をしていて、面白い時期だったよ。岡山でもそういう店がなかったから、凄く賑わって忙しかったのを覚えてます。

寺見 そのお店で何年ぐらい働かれていたんですか?

猪原 約15年くらいですかね。

寺見 ずっと自分のお店を持ちたいと思われてたんですか?

猪原 面白いのが、20代の頃は何も分からなかったから、飲みに行っては「自分の店出す」とか「独立する」とかよく言ってたんですよ。でも結婚して子供も出来て、本気で独立のことを調べてみたんですよ。何が必要だろうと。そしたら自分に足りないものだらけで、これは容易に出来る物じゃないな。足りないものだらけだと分かってからは、独立の話は誰にも言わなくなりました。

寺見 本気になったんですね。

猪原 自分で軽々しくよく言ってたなと思いました(笑)若かったからか、カッコつけたかったんでしょうね。寺見さんわかりますか?

寺見 私も約15年ほど会社員をした後の独立なので、非常に猪原さんと似てるんですよ。なのでそのあたりの気持ちは凄くわかります。独立して自分でやって行くってこんなに大変なんだと。また、カッコつけたいお年頃も思いっ切り通ってます(笑)

藤山 そうなんですね。でもその大変な中、結果的にお二人共独立されてますよね?

猪原 そうですね、問題点を一つずつ潰していくというか。クリアーして行って、時間はかかるけど必要なことなんで。でも最後の最後に一番重要なのは家族の同意なんです。

藤山 家族の同意ですか?

猪原 そう。それがないと独立はオススメしないと言うのがどんな本にも書いてます(笑)ちなみにうちの家族には全員に猛反対されてます。

寺見 えー、そうなんですか??

猪原 最初にお話しした、眼鏡の世界にいくことを勧めてくれた母親ですら猛反対でした。

藤山 確かに絶対が独立にはないですよね。みんな不安になるのは当たり前ですよね。

寺見 ですよね。新しいことにはリスクが付きますが、家族を支えていく立場だし、簡単な話ではないですよね。本人がやりたいと言っても、家族の意見は大変重要ですよね。最後はどうなりましたか?

猪原 最後は、妻です。挑戦してみたらと言ってくれて今があります。

寺見 おおー。

猪原 それを妻が朝言ってくれたんですが、その日のうちに社長に退職を伝えました(笑)

寺見 早い(笑)そこから店舗探しですか?

猪原 そうですね。市場調査とか、他の店とバッティングしない場所を選んだり。まあセレクトショップなのでそこまで気にすることはないんですが。

寺見 で、最初のお店の場所が岡山の人なら分かると思いますが、岡山駅西口の奉還町の入口の場所ですね。

猪原 そうですね。わかりますよね。ただ、あそこで物販っていうのが少し不安はありました。そういうお店も少なかったですし。

寺見 でも、OPENして好調でしたね。

猪原 ありがたいことにお客様が沢山きてくださいました。しかし明日どうなるか分からないというのが常にあります。もちろん今でもあります。

寺見 実際創業してどうでしたか?

猪原 そうですね。お店が開店して、必至で先のこととかは考えられなくて、毎日のことをこなしていくので精一杯でした。

寺見 忙しかったんですね、藤山さんはどのタイミングで入社されたんですか?

藤山 私はその3年後くらいに入社しました。

猪原 藤山さんの当社に入ったキッカケの話が面白いんですよ。お店のOPENから3年ぐらいたった時少し数字も見えてきて、なんとなく動きがみえてきたんです。3年ぐらいたつとリピートのお客様もきてくださって、人数足りないよね、みたいな感じになってきて募集をかけたんです。

寺見 なるほど、そこで応募されてきたのが藤山さん?

猪原 はい、その募集を締め切った後に連絡してきたのが藤山さんです(笑)

寺見 え?締め切った後ですか?(笑) それは、どういうことですか?

藤山 はい・・・。私、募集サイトを見てて「岡山眼鏡店」の募集を見つけてたんですが、最初凄く難しそうだなと感じたんです。

猪原 難しい?

藤山 その頃、眼鏡ってオシャレだと思い出してて、興味が凄く出てきてた時期でした。岡山眼鏡店はオシャレな美容師さんとかアパレルの方が、よく買いに行かれてると知ってましたし、私の中では「アノ」岡山眼鏡店で私が働けるのかな?と、眼鏡店の仕事とか調べたりして、興味はあるけど悩んでました。

寺見 なるほど。

藤山 ここから私の勘違いというか思い違いになるんですが。募集サイトを見ていて、募集の締め切り掲載の日が近づいて来たんですが、私にはハードルが高いかな、どうしようかな?と、悩んでいたんです。結局募集掲載が終わったんですが、私の中で、こういうのって、絶対また二次募集みたいな、また出るだろうとなぜか良くわからない自信があったんですよ。

寺見 は、はい・・・・。

藤山 そしたら出てこなくて。メッチャ焦って。わ、本当に無くなった!!て、なりまして・・・。

猪原 普通無くなるでしょ(笑)

藤山 そこから友達に電話して「ホントに募集無くなったどうしよう」て、言ったら「あんたすぐ電話しなさい!!」と、言われて電話しました。

寺見 猪原 (爆笑)

藤山 居なくなって初めてわかる存在の大切さが、みたいな・・・。

猪原 なんかそれ違うよーな・・・。ま、その後面接をしまして採用しました。

寺見 採用には、ご縁もありますし。

猪原 そうですね。真面目な話、当社は接客を非常に重要視してますので、人柄はしっかりみます。私も人を雇うということは、その方の生活を守らないといけないというか、社長としての責任があります。だから、しっかり面接させて頂いて採用してます。また、人を一人雇うと、年間どれだけのコストがかかるのか。その分売上げをこれだけは確保しないといけないなど経営に関わってきます。人材は重要ですが、そのあたりはシビアに考えております。

寺見 藤山さんは経験者じゃないんですよね?

藤山 そうなんですよ。

猪原 当社は、ほとんどが未経験者です。というのは、技術や知識って後からいくらでも上書き出来るんですけど、人柄っていうのはそれまでの人生が出てくると思うんですよ。上書きがそこは難しい。そうゆう意味では、藤山さんは大変当社にとってもありがたい人材でした。良く電話をかけてくれたなーと思います(笑)

藤山 その時の自分を褒めたいです(笑)

寺見 さて、その後岡山眼鏡店は厚生町に移転となります。その時のお話をお聞かせください。

猪原 はい、2019年に移転の話が上がりました。これは建物の老朽化の為です。ちょうどこの頃私達も、奉還町店が手狭に感じていて、少し大きいキャパのお店にしたいと思っている頃でした。

寺見 確かに移転前は、お客さんも増えて、ゆっくり眼鏡を見える感じじゃなかったですよね。

猪原 そうなんです。それで物件探しを始めるんですが、中々良い物件がなくて。やっと一件コレはという物件を見つけたんです。それが2020年の1月くらいなんですが。そこの物件の契約の判子を押すか押すまいかのところで、コロナが一気に広まったんですよ。

寺見 あー、あの時期ですか。

猪原 で、これはちょっとヤバいかもしれないと。で、奉還町店もコロナで取り壊しが一年延びることになったんです。その物件は結局縁が無く、契約にはいたらず、また新たな物件探しが始まったんです。

寺見 物件は本当難しいし、タイミング的なことも関係してきますよね。

猪原 その時、色んな方に話を聞いていく中で、今の厚生町の物件の話が出てきたんですよ。ただ、お店は居抜きなどではなく、建てなければならなかったので、後は銀行さんとの相談になりました。

寺見 無事クリアーされたんですね。今の対談場所の岡山眼鏡店は、凄くオシャレで、洗練された空間です。このお店のイメージは猪原さんの頭にはあったんですか?

猪原 全く無いです。と、いうのもお店を建てようなんてコレっぽっちも考えてなかったです。やりたいとも思ってなかったです。しかし、色んな方との出会いや、お話する中で自然とこのお店を作る方向になっていったような。前の奉還町店も、そんな狭い店では無かったのですが、新たなブランドを置いたり、来客も凄く増えて来て。その上コロナで、密になったら良くない流れがありましたので、もう少しゆったりお客様が買い物を楽しんで頂ける場にしたいという考えが出てきて、今のお店の形になりました。

寺見 私が気になったのが、2階建ての眼鏡店てあるんですか?

猪原 2階建ては、チラチラあります。ありますが、従業員が1階、2階に居ないといけないので、大変な面はあります。

寺見 でも、お客さんは、嬉しいですよね。まだ2階にも商品があるというワクワク感がありませんか?

猪原 おっしゃる通りです。実際そう言ってくださったお客様もおられます。結局品数なども考えたら、2店舗くっついたようなイメージをもってもらったら良いと思います。

藤山 お客様がストレスなくお買い物出来るよう、私達もインカムなど導入して、スタッフ間でのやり取りをして、接客をスムーズに行えるようしています。

寺見 なるほど、この厚生町に移転されて、新たにお子様用の眼鏡も販売スタートされましたよね?

猪原 そうなんです、当社もお店を出して、年数を重ねてきたら、最初来て頂いたお客様がお子様が出来て、一緒にご来店してくださったり、お子様の眼鏡も当社で一緒に見てほしいと言ってくださったり。要望も元々はあったんですが、奉還町店では中々難しかったんですが、厚生町に来て実現出来ました。

寺見 親子で同じ所で見て頂いた方が安心しますよね。親子三代岡山眼鏡店で購入されるお客様も増えそうですね。

前編はここまでになります。後編はデザインへのこだわり、岡山眼鏡店の取り組むSDGs。またついにOPENする新しい広島店についてお話を伺います。

岡山眼鏡店

〒700-0985 岡山県岡山市北区厚生町3-4-1
Tel. 086-250-6170
Open. 10:00~19:00
Close. 毎週 火曜日、第2/第3水曜日
※祝日は営業、店舗駐車場6台あり