今回の対談は、岡山県のみならず全国にも多くのファンを持つ「AROMA COFFEE」の渡辺さんとの対談をお送りします。当社代表の寺見とは20年来の仲で、他では聞けない話を聞き出しております。コーヒーのこと、コーヒーをビジネスにすること、などの話を中心に質問攻めにしております。ぜひ楽しんで読んで頂けたらと思います。
対談場所 AROMMA COFFEEE ROASTERY
ゲスト 株式会社アロマコーヒーカンパニー 代表取締役 渡辺一也
聞き手 株式会社クッキングオン 代表取締役 寺見真一
寺見 本日はお時間を頂きましてありがとうございます。
渡辺 いえいえ、こちらこそ楽しみにしてました。
寺見 まず、私が渡辺さんと出会ったのは、もう20年くらい前になります。コーヒー商社さんの紹介でした。
渡辺 もうそんな前になりますか。
寺見 そうですね、その時は東岡山にあるカフェ「AROMACOFFEE」のコーヒーカップに、お店の名入れをしたいと言われて、作成させて頂いたのが最初のご注文でしたね。
渡辺 そうですね、あれからもう20年ですから早いですね。
寺見 渡辺さん、この対談を読んでくださってるみなさんに自己紹介を兼ねて、コーヒーに興味を持ったキッカケなど教えて頂けますか?
渡辺 はい、そうですね、まずコーヒーを知ったのが祖父からなんです。凄くコーヒーの好きな人で、岡山の老舗の自家焙煎店からコーヒーを買ってきて、ネルドリップしたり、サイフォンで淹れたりして飲んでいたんです。あと、母親が喫茶店をしてたので、もう小学校の頃からコーヒーがずっと生活の近くにある状態だったんです。
寺見 洒落たおじいちゃんですね。
渡辺 ですよね。それで高校生の時に友達が岡山の老舗のコーヒー屋さんでバイトを始めたんです。そこに凄く通うようになって、そこで「深煎りコーヒー」にハマッてコーヒーって美味しいなぁと思いだしました。自分でお金を出してコーヒーを飲みに行き出したのも高校生の頃ですね。
寺見 たぶん、その頃の高校生としては早いですよね。しかもブラックコーヒー飲んでたんですよね?(笑)渡辺 そうです(笑い)たぶん、大人への憧れみたいなものがあったのかもしれません。大人は濃いブラックコーヒーを飲むもんだと。それを黙って飲むのがカッコいいみたいな(笑)
寺見 私は高校生の時、缶コーヒーのメッチャクチャ甘いやつ飲んでました。渡辺さんのお母様はいつ頃から喫茶店をされていたんですか?
渡辺 もう私が4歳くらいの時からです。
寺見 そうなんですね。現在東岡山の方で「AROMA COFFEE」を経営されていますよね、こちらの店は客席数もしっかりある人気のお店ですが、渡辺さんはこちらのお店で働かれいてましたよね。
渡辺 はい、二十歳くらいの時にお店に入り働いていました。そこで2・3年働いた時に自分で色々考えるようになりました。その頃はしっかり食事メニューなども出していたんですが、何か特化したものがほしい。これはビジネス的な考えになりますが、私としては自然な流れでした。そして、昔から身近にあり好きなコーヒーをもっと勉強してお店に深みを持たせたい。コーヒーに特化した店にしたいと思い、老舗コーヒー屋さんに3年間働かせてもらって、勉強しました。
寺見 なるほど、経営者への芽がポッと出たあたりの話が面白いです。
渡辺 そこからお店に戻って、色々考えるようになりました。
寺見 その戻った後なんですが、その頃はまだコーヒー豆を商社さんから購入する喫茶店だったのに、自家焙煎を始められました。自家焙煎をしようと思ったキッカケ・思いを教えてください。
渡辺 はい、外に出て、教えてもらったお店が自家焙煎で、そこで働くうちにコーヒーへの興味が増していきました。あとその頃、東岡山に大きい商業施設が来ると噂になっていました。そこで、やはりお店として特化したものがないと潰されてしまうと思いました、チェーン店がきても負けない、自分の技術もそうですが、お店としても負けない何かをと思っていました。そこで自家焙煎を考えるようになりました、その頃岡山で自家焙煎をしているお店は本当に少なかったので。
寺見 なるほど、そこから私と一緒に大阪に行って焙煎機のメーカーに行ったり、カフェをまわったりして、ついに焙煎機を購入されましたね。
渡辺 楽しかったですよね。その頃30歳ぐらい。最初の焙煎機は富士珈機社R-105改5㎏からのスタートでした。現在の焙煎機はPROBAT社のUG22ですね。
寺見 かなり年季の入った焙煎機ですね?
渡辺 1940年代の物で、俗にいうヴィンテージ、焙煎機の名機と言われる焙煎機です。この焙煎機は「AROMMA COFFEEE ROASTERY」をOPENさせた後に導入しました。
寺見 当初焙煎所を「AROMA COFFEE」に併設して営業されていましたが、そこから現在お話を聞いている「AROMMA COFFEEE ROASTERY」をOPENさせようと思った理由を教えてください。
渡辺 はい。コーヒー豆の買い付けに海外へ行き、良い豆を選んで仕入れて、焙煎を頑張ってお店で出した時に、お客さんとの距離が遠いな、と感じたんです。その時このコーヒーのストーリーというか、どうゆう豆で、どんな人がどんな所で作られているか、それをもっと伝えたいと思ったんです。そのためには、もっとコーヒー豆に特化した販売店舗が必要だと思ったんです。
寺見 渡辺さんは定期的に買い付けに、エルサルバドル・グアテマラ・ニカラグアなどに行かれて、生産者さんとの信頼も深めていらっしゃいます、また日本にも生産者さんを招いて、より良いコーヒー豆は、こうゆう生産者さんが作っているんだよと、購入者さんにもアピールしています。
渡辺 はい、やはり、美味しいコーヒーは焙煎技術なども重要ですが、コーヒー豆自体の素材の良さがもっとも重要になってきます。それを重視すると、自然と生産される現地で、豆をどんな方が、どのような土地でどのような生産方法で作っているか、私がしっかり確かめてお客さんに提供したいと思ったんです。
寺見 そのような情報って、コーヒーを飲む我々にも教えてもらえると、よりコーヒーを楽しめますよね。
後編へ続く 後編はコーヒービジネスのお話などを